前回は、視覚優位さんの得意なこと・苦手克服のアプローチ方法についてお話しました。では、聴覚優位さんの得意なことって何でしょう?
まず、耳コピ(耳で聴いた演奏を再現すること)が上手です。先生が新しい曲を弾いてみせた時に、聴覚優位さんは聴いてる姿が違います。音を聴くことに集中し、音に耳を澄ましているオーラを感じるんです。
さらに、『音で意思表示がしやすい』のも聴覚優位さんの強み。敏感に音色や音のニュアンスを感じ取ることができるので、『どう奏でるか』を試行錯誤して『自分はこう弾きたいんだ!』という意志が演奏に出やすいタイプですね。
ではデメリットは?『楽譜を読むのが苦手』ということです。小さい頃から聴覚を研ぎ澄まして音楽を聴き、後から読譜力が付いてきているので覚えて弾く習慣があります。
そのまま進んでしまうと、覚えて弾く記憶力には限界があるのでページ数の多い高度な曲に出会った時に対応できなくなってしまいます。読譜力を高めて、弾ける範囲と読譜の差を埋めていきましょう。
そのために『初見奏(初めて見た楽譜を演奏すること)』が有効です。楽譜を目で追いながら、手を見ずに演奏する練習を積み重ねることで読譜力がアップしていきます。あとは、音形のフラッシュカードを読むことに繰り返し取り組んでいきましょう。なるべく早い時期から取り組んでおくと有効ですね。
時々、「覚えないと弾けない」というお子さんと出会うと、もったいないなあ...と感じます。聴く力がある分、読譜力があれば応用範囲が広がって弾ける曲の範囲も広がりますからね。
視覚と聴覚、バランス良く伸ばしていけるように、「どっちが得意かな?」大人が見極めて足りないところを補っていきましょう!