拍感をどうやって育てますか?
2025.1.15
YouTubeで詳細をご覧になりたい方はこちらから
https://youtu.be/KXlOpO5xZ1U
音楽が自然と前に進む「拍感」を大切に
ご自身または生徒さんのピアノで
「もっと拍感のある演奏をしましょう」と
言われたことはありませんか?
音楽の中で「拍感」とは、
曲のリズムや曲が進むエネルギーをしっかりと感じて表現すること。
例えば、
曲を演奏するときに
「音の波を感じること」
「音の持つ抑揚」の感じです。
ただ音符の順番に鍵盤を押すだけではなく、
音楽の中に流れるエネルギーの波を楽しむ感覚です。
これがあると、
演奏がスムーズに流れるようになり、
聴く人にとっても心地よい音楽になります。
一番わかりやすい例は、
アーティストのライブでの聴衆の様子です。
会場一帯がビートを感じて、
体を動かす手を振る、ジャンプする、
これはビート拍を感じられているからこそ、
心地よさや一体感を引き起こしているわけです。
拍感を育てるちょっとした工夫
1:手拍子やステップを取り入れてみる
まずは曲のリズムに合わせて手をたたいたり、
足で拍子にあわせて歩いたりすること
から始めてみましょう。
「1・2・3・4、1・2・3・4」と、
声を出して言いながら、手を丸く弧を描いて
みるだけでも効果抜群です。
2:指揮をして歌ってみる
知っている曲を、指揮をしながら歌ってみると、音と音の間を感じやすくなり、
また,それぞれの拍の重みも感じやすくなります。
ただ、これも音楽的な指揮として腕を動かせないお子さんもいます。
そんな時は、指揮ではなく、魔法の杖として呪文をいう感じで動かしてみてください。
「シュー!」とか「クルクルクル」とか
擬態語で動かすと、単に拍の折り返しを指揮でなぞるだけでなく、
言葉が持つエネルギー を指揮の軌跡に表すイメージがわきやすくなります。
3:リトミック的な活動をしてみる
リトミックの手法では、音楽の波を
「アナクルーシス」・・準備・助走
「クルーシス」・・・・打つ・到達点
「メタクルーシス」・・解放・弛緩
と、して感じることを目指します。
こうした体験は、拍感を視覚的にも体感的にも、理解しやすくします。
わかりやすい例ですと、卓球やテニスなどを思い浮かべてください。
ボールを打ち浮かす準備がアナクルーシス、ボールを打った瞬間がクルーシス、
ボールを打った後の方向に腕が向かうのがメタ クルーシスです。
バーナム教本でも「ピンポン」という項目は、アナクルーシスの準備の練習にもなります。
イメージできましたか?
小さなお子さんは、ボールを床についたりすることでも、楽しく拍感を学べます。
幼児向けのアプローチでお勧めなのは
アウフタクトの曲で、クルーシスを感じる事です。
「アウフタクト」とは弱拍で始まる曲のことで、
これを練習すると自然に拍子のエネルギーを体感できます。
例えば、
「こぶたぬきつねこ」や「山の音楽家」のような曲です。
これらの曲では、アウフタクトの部分が助走(アナクルーシス)となり、
拍の到達点(クルーシス)をより強く感じることができます。
歌いながら先生と一緒にクルーシス(1拍目)で手を叩いてみると、
自然と拍子を感じられるようになります。
そしてそのあとで、そのクルーシスを感じてピアノを弾けば、
生き生きとした音楽になるはずです。
みんなで楽しむ音楽の時間に
拍感が身につくと、音楽がぐっと表情豊かになります。
特にピアノを始めたばかりの方やお子さんには、無理なく楽しくリズムを感じる方法を取り入れるのがおすすめです。
「音楽が前へ進む感じ」って素敵ですよね。
一緒に音楽の波に乗りながら、より魅力的な演奏を目指してみましょう!